現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

【為替】円高とは?円高をわかりやすく解説


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1ドル100円と1ドル90円ではどちらが円高でしょうか?

 

1ドル100円の方が円高と思われている方もいると思います。

 

1ドル90円の方が円高なのですが、なぜ、1ドル100円よりも1ドル90円の方が円高なのでしょうか?逆のようにも思えます。

 

円高円安などの為替の知識は、金融経済教育研究会(金融庁)が示す「最低限身に付けるべき金融リテラシー」の1つ。

 

資産を増やすだけでなく、資産を守る意味でも金融リテラシーの向上は重要です。

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今回は具体例をもとに円高についてわかりやすく解説します。

 

 

1.円高とは?

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円高とは円の価値が海外の通貨に対して高くなること。

 

逆に海外の通貨は円に対して安くなります。

 

この説明だけではよく意味が分からないと思いますので、具体的な例を出して解説します。

 

円高の具体例

例えば、1米ドル100円で1つ買えていたものが、1米ドル50円になるとどうなるでしょうか?

 

1米ドル50円になると2つ買うことができる。

 

つまり、円の価値が米ドルに対して高くなったということになります。

 

これを円が高くなると相対的にドルは安くなることになるので、円高ドル安と表現。

 

円高の覚え方としては、1ドルに対して円の数字が小さくなるほど円高ということになります。

 

例えば、1ドル100円と1ドル50円では、50円の方が数字が小さいので、1ドル50円の方が円高ということ。

 

なお、1ドル●円以下は円高という明確な基準はありません

 

 

2.円高になる要因とは?円高は予想できる?

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どのようなことで為替は動き、円高になるのでしょうか?また、円高は予想できるのでしょうか?

 

為替は様々な要因で変動します。

 

例えば、2国間の金利差で為替は変動。

 

アメリカの金利が日本より高い時は、ドルで運用した方が有利なためドルが買われて円が売られるので、ドル高円安方向に動きます。

 

逆に日本の金利がアメリカより高い時は、円で運用した方が有利なため円が買われドルが売られるので、円高ドル安方向に動きます。

 

なお、為替の変動は金利差だけでなく、経済情勢や物価情勢など様々な要因が影響するので、大まかな流れは予想できても正確に予想することはできません。

 

よって、為替の動向を予想してFX(外国為替証拠金取引)などで大きな資金を動かすことは非常にリスクが高くなります。

 

実は、私自身が為替相場の予想を外してFXで大きな失敗をした経験があります。

 

2016年のアメリカ大統領選でトランプの当選はほとんどの方が予想していませんでしたし、私もそう考えていました。

 

しかし、大方の予想に反してトランプが大統領になったことで急激な円高に。

 

日本銀行(日銀)の金融緩和で円安を予想していた私は、FX(外国為替証拠金取引)で大きな損失を被りました・・・。

 

世の中では予想外の事が頻繁に発生します。よって、為替相場は予想できないと考えた方が賢明です。

 

 

 

3.円高のメリット

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円高になるとどのような影響が発生するでしょうか?円高により発生するメリットを解説します。

 

1)輸入業者にはプラスの影響

輸入業者にとって、円高はプラスに働きます。

 

例えば、1つ1ドルのモノを輸入していた場合、1ドル100円であれば、1つ仕入れるのに100円を支払う必要があります。

 

為替レートが円高になり、1ドル50円になると1つ50円で輸入することができ、50円安く仕入れることが可能。

 

仕入れの原価が半分に。

 

円高により、輸入製品や輸入原材料の価格が安くなると、国内物価を押し下げ、デフレの原因となります。

 

日銀が金融緩和を継続して円高を防ごうとしてきた理由がここにあります。  

 

現在では、逆に円安が進行し過ぎてコストプッシュ型のインフレを起こしている状況です。

 

2)海外旅行に安く行ける

円高になると海外旅行に安くいけるようになります。

 

例えば、1泊1,000ドルの部屋に泊まる場合、1ドル100円だと1万円支払う必要があります。

 

為替レートが円高になり、1ドル50円になると1泊5,000円で泊まれるようになります。

 

 

4.円高のデメリット

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続いて、円高により発生するデメリットをご解説します。

 

1)輸出業者にはマイナスの影響

輸入業者とは逆に輸出業者にとっては、円高はマイナスに作用。

 

例えば、現地で1つ1ドルで販売しているモノを輸出しているとすると、1ドル100円の場合には100円の売り上げとなります。

 

しかし、為替レートが1ドル50円になると、100円を売り上げようとする場合、商品を1つ2ドルへ値上げする必要が発生。

 

値上げをすると価格競争力が落ちますので、輸出業者の売上が下がってしまいます。

 

日本経済は輸出業者が支えている面があるため、日本経済にとっては円高はマイナスの作用が大きくなります。

 

たとえば、トヨタ自動車の場合は為替レートが1円円高になっただけで、営業利益が400億円も目減りすると言われています。

 

2)日本に来る旅行者が減る

円高の場合は海外旅行に行く人が有利になりますが、逆に海外から日本に来る人にとっては不利に働きます。

 

例えば、1泊1万円のホテルに海外の人が泊まる場合、1ドル100円だと1,000ドル支払うことになります。

 

しかし、為替レートが円高になり、1ドル50円になると1泊1万円のホテルに泊まるのに2,000ドル支払う必要がある。

 

全く同じ部屋に泊まるのに2倍もお金を出す必要があります。

 

円高になると海外渡航者によるインバウンド消費が減って日本経済にはマイナスの作用があります。

 

 

まとめ

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円高は日本経済にとってプラスに働く面と、マイナスに働く面の両面があります。

 

どちらかというと、円高は日本経済にとってはマイナス面の方が強いといえるでしょう。

 

円高・円安は日本経済に大きな影響を与え、株価も為替動向によって大きく動く場合があります。

 

よって、FX(外国為替証拠金取引)などの為替取引をしていなくても、為替の動向は非常に重要な指標。

 

資産運用を考えている方にとって為替の動向は押さえておくべき指標で、為替の知識は最低限身に付けるべき金融リテラシーの1つです。

 

なお、FXなどの為替取引で稼ぐのは簡単な事ではありません。

 

FXなどの為替取引は誰かの利益は誰かの損失で発生するゼロサムゲーム

 

リスクも高いので、初心者の方に為替取引はおすすめできません。